あなたは何故、何の為に生きているのですか?

「CLUE」(クルー)2001年11月26日号/(北海道アルバイト情報社発行)No.786「クルー・リレーエッセイ」より抜粋

自分自身を知りつくし、刺激的で感動のある人生が送れるかどうか・・・

あなたは何故、何の為に生きているのですか?

人生の成功者・・・と言えば何を想像するでしょうか。

例えば、誰もが羨む大豪邸に住み、最新のファッションで身を包んで高級車を乗り回し、海辺に別荘なんかも持っていて、ヨットでクルージングを楽しんだ後、自宅のプールサイドで紅茶を飲みながら、優雅な一時を過ごす。僕もこんな生活ができたらいいなーと思わず憧れてしまうほど、確かに凄い話ですよね。

でもちょっと待って。良く考えてみると、これらすべてはお金があれば、単純に実現できる話ではないでしょうか。

という事は、お金持ちになる=成功者とも言える訳ですよね。確かにお金をたくさん集めるのがすべてという人にとって、大金を手にする事は成功と言えるでしょう。しかし、それだけが、真の成功者と言えるのでしょうか。

今からちょうど10年前、僕はクインシー・ジョーンズに招聘され、スイス・モントルージャズフェスティバルに出演しました。湾岸戦争直後というタイミングで、アメリカからの出演者も多い為、欧州はテロを警戒し、異常な緊張感が漂う中、14日間に及ぶフェスティバルが開催されました。

そんな中、日本から参加した僕は、現地での湾岸戦争時における日本政府の対応に、非難を浴びる事が多かったのです。要は、『日本は、お金だけ出せばそれで良いと思っているのか?』という事でした。

実際、どの国よりも一番多く『お金』を資金として払ったにもかかわらず、西側諸国は日本の貢献を認めなかった。残念ながら、現在も世界における日本の貢献度の評価は低いですが、何故でしょうか。

学校嫌いで登校拒否だった僕にとって、かつて受けたアメリカでの音楽教育は、日本の社会に感じていた疑問点を、かなり解決してくれるものでした。大学には世界の国から、いろんな民族、いろんな宗教を持った生徒が集まり、まさにミニチュア国際社会そのものでした。

ユダヤ人で僕の大好きだった教授ジョー・アラッド氏が最初のレッスンの時、僕にこう言ったのです。『ヒサオの技術が聞きたいんじゃない、魂のこもった演奏が聞きたいんだ』『喜びや悲しみを素直に表現し、人の為に演奏しなさい』。この彼の言葉が僕の人生観を変えて行く事になるのです。

僕が考える真の成功者とは、“自分自身を知りつくし、刺激的で感動のある人生が送れるかどうか”だと思うんです。たとえお金があろうとなかろうと。


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ホ−ムペ−ジを開設してから、僕のもとに「アメリカに行きたい!」「留学したいのだがどうすれば良いでしょう・・・」「サックスを使って即興演奏をしたい!」など、数多くの熱いメッセージが届けられている。こういった意見が届くたび、かつて僕もあなた達と同じ時期、心に抱き漠然と悩んでいた事を懐かしく思う。

田野城寿男プロフィール

サックス・プレーヤー。1958年生まれ。78年、ボストンのバークリ−音楽大学入学。在学中、ニューヨークでデイブ・リーブマンにサックス、フルート、音楽理論を師事。・・・91年、「25周年記念 スイス・モントルー・ジャズフェスティバル」に出演。この年、特別プロデューサ−として迎えられたクインシー・ジョーンズは、田野城の音楽とオリジナリティを「おまえは誰にも似ていない」という言葉で認め、抜擢した。

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世界共通の言語である音楽は、国や民族、宗教の違い等を超えて、人の心を豊かにしたり、幸福にする力を持っています。だから音楽をする人間は地域や社会に貢献できるし、貢献していくべきなのです。

僕の言葉では、音楽は、人が人を想う「愛」だということになります。

田野城寿男が考える音楽教育

私は小学校から高校に至る迄、大の学校嫌いでした。
登校拒否に無断欠席は当たり前。もちろん、塾なんて行った事がありません。何故かというと、私にはどうしてもわからなかったからです。

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