3人の師との出会い
ぼくが初めてジャズに出会ったのは、18歳のときだった。受験勉強をしながら聴いていたFM放送でジャズに魅了され、見事、大学受験に失敗。ジャズ喫茶に入り浸る毎日になってしまった。
何か得体の知れない強烈なエネルギーに引き込まれた感じだった。なかでもエルヴィン・ジョーンズの『ライヴ・アット・ライトハウス』は強烈だった。このライブに参加していたデイヴ・リーヴマン(テナーサックス)の奏でるメロディーには、頭を金槌で殴られたようなショックと希望を与えられた。
「一体、ジャズとは何なのか?」・・・ぼくはそれを探求するべくジャズの名門 = バークリ−音楽大学に留学し、音楽人生を歩むことになった。ちょうど20歳のときのことだった。
ところで、ぼくには渡米するとき、目的が3つあった。
1つ目は、ぼくに強烈な印象を与えたあのデイヴ・リーヴマンに師事すること。
2つ目は、世界的なサックスのオーソリティーであるジョー・アラッドに師事すること。アラッドは当時、ジュリアード音楽院、マンハッタン音楽院、ニューイングランド音楽院の教授であり、デイヴ・リーヴマンの恩師でもあった。
そして3つ目が、「リディアン・クロマティック・コンセプト」の生みの親であるジョージ・ラッセルに直接、その教えを受けることだった。
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