「PIPERS」(パイパーズ)1993年11月号 構成・文章:T.SATOH
「お前が一番なんだか分からない」と言われ、モントルーのオーディションに合格した。
「リディアン・クロマティック」のテナー奏者、雌伏5年のモノローグ。ワン&オンリ−で突っ走れ!
クインシー・ジョーンズに認められ、91年モントルー・ジャズフェスティバルに日本代表として出演した田野城寿男。ライブも少なく、メディアに露出することも少ない彼には、しかし熱烈なファンがいる。日本ジャズ界の体制からは異端視されがちな、彼の一匹狼的な生き方を、4時間に渡って本誌に告白。
91年7月、モントルー・・・
ジュネーブに着いたのは夜。迎えの車でホテルに向かう途中、雨のレマン湖を走りながら、さすがにモントルーの大舞台への緊張感がジワーッと襲ってきた。「会場を覗く?」という誘いを断ってホテルに入り、ラジオをつけて熱い風呂に入ろうとした。と、モントルーの中継が耳に飛び込んできたんです。
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