世界共通の言語である音楽は、国や民族、宗教の違い等を越えて、人の心を豊かにしたり、幸福にする力を持っています。だから音楽をする人間は地域や社会に貢献できるし、貢献していくべきなのです。僕の言葉では、音楽は、人が人を想う「愛」だということになります。だからこそ、演奏の技術を伝える前に、そうした音楽の持つ意味や、素晴らしさを伝えていきたい。音楽をすることの延長に、自分の生き方、社会との関わり方を考える道を据えてみたいと思っています。

リディアン・クロマティック・コンセプトって何だ? vol.1 / 5


「BRUTUS」(ブルータス)1992年2月1日号/マガジンハウス



君はコルトレーンじゃないんだから、ヒサオのチェンジをつくり出さなければならない。



陽気でパワフルで無国籍な変わり者・・・とでも呼べばいいのだろうか。



テナーサックス奏者・田野城寿男、33歳。なにしろ、ごくありきたりの大学受験浪人1年目のとき、ある日突然といった感じでボストンにあるバークリ−音楽大学留学を決意し、無手勝流で夢を実現してしまった男である。


断わっておくが、音楽的にはまったくのノンキャリアで、である。でも、彼の無手勝流はそれだけに留まらなかった。渡米前に心に決めていた3人の音楽家の懐に飛び込むことに成功し、そのレッスンのなかからミュージシャンとしてのバックボーンをしっかりと身につけてしまったのだ。


そのバックボーンがいかに優秀でコンテンポラリーなものだったかは、昨年の夏、クインシー・ジョーンズに招待されて『モントルー・ジャズ・フェスティバル』に出演したことでもわかるだろう。 では一体、彼のバックボーンとはどういったものなのか。そのキーワードが「リィディアン・クロマティック・コンセプト」なのだ。


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