音楽にジャンルはない。たくさんの音楽にふれてみよう。
音楽は音楽であって、ジャズ、クラシック、ロックといったジャンル分けにはあまり意味がないと考えています。
PMFのひとつのお手本であるボストンのタングルウッド音楽祭でも、クラシックと同様にジャズの部門があり、それぞれ小澤征爾、ウィントン・マルサリスという素晴らしい音楽家が指導の中心にいます。
そして、ふたつの部門の学生たちは全く違う志向を持っているかというと、そんなことは全然ない。
また、スイスのモントルー・ジャズフェスティバルは、日本では正統的なジャズフェスティバルと考えられがちですが、例えば僕が参加した年のオープニングは、スティングでした。
異なるものの存在を認め合い、その交わりの中から新しい価値が生まれていけば良いのです。
特に子どもたちには、いろんな種類の音楽にふれてほしい。それが、演奏の、ひいては人間の豊かさになっていきます。個人的には、僕たちの音楽が、将来的にはPMFと関わっていけば大きな意義があると考えています。
目先のライブのためだけに、全員のレベルを平均化するのが目的ではありません。一人ひとりが、あくまで自分の問題としてどこまで伸びてくれるかが重要です。やがては僕の知人であるアメリカの音楽家たちの協力もあおぎながら、じっくりと腰を据えて取り組んでいきたいと考えています。
【完】
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