世界共通の言語である音楽は、国や民族、宗教の違い等を越えて、人の心を豊かにしたり、幸福にする力を持っています。だから音楽をする人間は地域や社会に貢献できるし、貢献していくべきなのです。僕の言葉では、音楽は、人が人を想う「愛」だということになります。だからこそ、演奏の技術を伝える前に、そうした音楽の持つ意味や、素晴らしさを伝えていきたい。音楽をすることの延長に、自分の生き方、社会との関わり方を考える道を据えてみたいと思っています。

日本の音楽業界になじめない私の理由 vol.2 / 10


--- どうしてサックスだったの。


ジョン・コルトレーンを体に感じたんです。決定的だったのはエルビーン・ジョーンズの『ライブ・アット・ライトハウス』という二枚組のライブのアルバム。サキソフォンプレーヤーがデイブ・リーブマンとスティーブ・グロスマンだった。


それからマイルス・デイビスの後期のアルバムのサキソフォンプレーヤーがやはりデイブ・リーブマンとかスティーブ・グロスマン。聴いて、すごいショックを受けました。


--- リーブマンを聴いただけで選んだわけ?不器用な人間は、あの楽器の姿だけで恐れちゃいますよ。


専門家になる気がなかったからじゃないですかね。ちょっと触ってみた、という程度の話です。


--- 18歳だったわけですね。


卒業は18。でも、ぼくは日本の大学受験に失敗するんです。日本の大学に入りたくなかったから失敗は大賛成ってわけでしたけど。


--- 勉強ができなかったんだ(笑)。


ハイ、そのとおりです。特に受験勉強が嫌だった。


--- 勉強をしないで高校時代は何をやっていたの。非行少年?


一般論だと非行少年だったかもしれない。群れをなすのはダサイ、やるのだったら一人でやると。


--- 登校拒否?


自分では重役出勤と呼んでました(笑)。朝の授業にだけ行って、帰りはそのまま大阪・難波のジャズ喫茶に入りびたって本を読んだり、英語の単語を覚えたりしたんです。


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