2010年11月06日
日系アメリカ人オウエさんの話(後編)〜Japanese American〜
強制収容所の日本人代表として
アメリカ政府とのパイプ役に徹していたオウエさん。
その後、アメリカに忠誠を誓い
外人部隊に入ることとなる。
当時アメリカワシントンへも呼び出された。
日本人がどのような民族なのかを分析するため、
アメリカ政府は日本人であるオオエさんを呼んだという。
アメリカ人は分析することの重要性を理解し、
またその能力にも長けていた。
この姿勢は学問上にもしっかり生かされていると僕は思う。
ヨーロッパ戦線でドイツと戦った彼らは、
どんな部隊よりも優秀だったそうだ。
一歩も引き下がらない部隊として
軍内でも噂になったという。
「そんじょそこらのアメリカ人とは違う、
日本人の魂をみせつけてやる!」
アメリカ人でありながら彼ら外人部隊は決して
日本人のプライドを捨てなかった。
当時若干二十歳の僕は、その話を訊いて唖然とした。
日本の歴史教育では一切学んでこなかったことだ。
しかし彼らが本当に心から悩んだ事件があった…
それは沖縄上陸戦。
自分たち外人部隊が沖縄へいくよう
近々命じられることが決まっていた。
その時、みんなで密かに話し合った。
「日本人に銃をむけれるかどうか」
それまでは、日本人のプライドで戦っていた。
それが今度は、その日本人のプライドで
同じ日本人に銃を向けれるのかと。
「頼むからはやく日本は、降伏してくれ」
日本人を攻撃したくないという気持ちと同時に、
外人部隊として参戦していた彼らは、
アメリカ軍の力を知っていた。
日本に勝ち目はない。
それよりも戦争が長引けば長引く程、
日本の一般市民が数多く無駄死ぬことになる。
アメリカ軍が日本を占領しても
日本をのっとることはないだろう。
それよりも日本人が亡くなることを
なんとか避けたいと。
だから早く降伏してくれと願った。
感謝祭の夜。
心臓が弱かったオウエさんは
ニトログリセリンを握りしめながら
僕に向かって落ち着いた口調で語ってくれた。
身体の弱いオウエさんを早く休ませたいと
内心僕は、彼の体調を気にかけていたのだが
そんな心配をよそになおオウエさんは語り続けた。
「我々はもちろんだが、ハワイへ移民した日本人のお墓も
すべて日本を向いている」
僕は小さい頃から“人は何の為に生きるのか”
この答えを求めずっと考えてきた。
アメリカ人であるオウエさんから
日本人としてのアイデンティティを
強烈に教わった。
そして夜が明けた。
日系移民の歴史を知ってください。
「99年の愛〜JAPANESE AMERICAN〜」今夜9時からTBS。